Club SBR 取材

 
Club SBR 2009年4月号の「経営者インタビュー」に掲載されました!
Club SBR 2009年4月号
 
 
「正確な情報を提供し、顧客の不安を払拭する」
 
 

「インフォームド・コンセント」という言葉をご存知だろうか。

これは患者側が十分に情報を知ったうえで治療行為に同意するという意味の医療用語で、ほかの業界にも応用できる手法。
建築業界でいえば、専門的な情報を顧客に伝えることで、その納得度は高まり、信頼醸成へともつながるのである。

今回は、それを実践し実績を挙げている有限会社サカキの榊秀夫社長に語っていただいた。

 
 
同社スタッフの皆さん   「家を長生きさせる会」の勉強会に参加した
技術スタッフ。
 
 

「顧客の不安を解消すべくプロの視点でアドバイス。」

福岡県南部にある小郡(おごおり)市は、福岡市のベッドタウンとして絶好のロケーションに位置する。
市内の七夕神社は、730年ごろの肥前風土記に残る記述から七夕行事発祥の地とされていて、「七夕の里」としても名高いのだ。

当地で塗装業を営む有限会社 サカキは、昭和40年に先代が個人事業として創業、平成8年に2代目の榊秀夫氏が事業を継承した。
代表になった榊氏は、「スタッフを預かる身として、会社の未来に希望を見いだすには、大手の下請けという地位にいつまでも甘んじていられない」と考え、
有限会社 サカキを設立、独自の顧客開拓に乗り出すという営業活動の展開を始めた。

大手や同業各社との競合に勝ち残るための武器としたのは、顧客に「説明責任」をしっかり果たすということだ。
一見、基本中の基本のようなことだが、大手でさえもこれを徹底しているところはまだまだ少ない。
ましてや、押し売りまがいの営業や手抜き工事を行うような悪質なリフォーム会社が社会問題に発展している昨今では、 情報の開示と解説が、顧客に対する大きなアピールポイントになる。


顧客は、「見積もり予算は適正か」「工事は手を抜いていないか」など、さまざまな不安を抱えている。
「塗り替えリフォームでは、仕上がりをご満足いただくためにはもちろん、適正な見積もりを出すためにも、お客様のイメージを的確にとらえることが欠かせません。
そこでまずは、過去に施工した現場にお連れして、塗装の色合いを見ていただくんです」

塗装の"色"は、光の加減で見え方が異なる。
人口の光の下で見る施工例の写真より、太陽光に照らされた実物のほうがより性格にイメージをとらえられる。
どうしても時間が取れず、写真で判断しなければならない顧客には、「蛍光灯の下で見ると、微妙に色が薄く見えるんですよ」というようなアドバイスを必ず付け加えるようにしているという。

そうして顧客の要望を把握し、塗装個所の面積、状態などを勘案したうえで、見積もりを5パターン算出する。
「長持ちさせるには最低このくらい」 「冷暖房費を節約できる断熱効果を持つ塗装ではいくらかかる」
と、それぞれの金額がはじき出された理由を丁寧に説明、
そこで顧客の疑問が出れば根気よく答え、十分に納得していただいたうえで契約し、施工に取りかかる。

施工中の模様も顧客に納得していただける形で記録している。
下処理から完成までの各工程で記録写真を撮影し、それをCDに焼いて、施工後に5年間の保証書とともに手渡しているのだ。
「特にケレンや下塗りといった施工後に確認できない工程は、漏らさず写真に残しています。多いときにはそれが300カットにもおよぶこともあります。
手間はかかりますが、お客様は安心されますし、施工後のクレームを防ぐためにも有効です」

とりわけ、鉄部の塗装は長持ちさせるために「錆び」の処理や対策が重要になる。
こうした証拠写真を積極的に提供することで、顧客満足度が飛躍的に高まるというわけだ。

 
 

技術向上を目指して
「家を長生きさせる会」を発足

平成17年には、榊氏が音頭を取って、工務店をはじめ、瓦・屋根板金、シロアリ駆除といった専門施工会社10社と提携し、「家を長生きさせる会」を発足させた。
スタッフの知識・技術をはじめ、マナーやサービスの向上を目的とした会で、年数回、合同で勉強会を開催している。
さらに、会員間で業務の紹介・斡旋も行っている。

同社が塗装工事を発注した際に、屋根や水回りの修繕などを依頼されるケースもある。
そこで、会員企業を紹介することもあれば、他業種の会員企業から顧客を紹介されることもある。
会としても、顧客を紹介した会社も仲介料を取らないので、互いに元請け案件を増やせるシステムだ。
「最新の建材や工法・技術情報を交換することで刺激になりますし、仕事を紹介し合うことでお客様に多様なサービスが提供できます」

また、会員企業と協力し、塗装工事のポイントを解説したガイドブックを制作、見積もりを依頼した顧客に無料で配布している。

 
筑紫野市 T様邸 塗装前   塗装後
 

「ホームページが元請けを増やす強力な武器に」

平成15年に(株)テレウェイブリンクス(現(株)SBR)のホームページ制作チームに依頼し開設したウェブサイトにも、随所に榊氏の思いが表れている。

無料塗装相談室というコンテンツでは 「外壁塗装で一日に二つの工程を行ってもいいのか」
「塗装膜が膨らんでいる個所があるのだがリフォームが必要か」
といった実際に寄せられた顧客からの質問・疑問に答える形で素人にも分かりやすく解説している。

「工事中にトイレを使われたくない。あるいは、職人さんにはお茶を出すべきか?などといった質問にもお答えしています。 初めてリフォームを行うお客様は何もわからなくて当然なのですから、一から説明するようにしています。 それがまた、『ここなら信頼できる』と思っていただける要素になっているようです」

ホームページ上では無料見積もりキャンペーンを実施し、毎月先着5名様にキャンペーングッズをプレゼントしている。 顧客の興味を引く仕掛けが、アクセス数をアップさせ、受注につながっていく。
現在、ホームページ経由の問い合わせの約2割が成約に至っているという。
毎月平均5~6件受注するうち、ホームページを介した案件は1~2件というから、営業ツールとしての有効性は確かなものだ。

海外からメールが届き、受注したこともあるという。
「カナダ在住の日本人の方からご連絡いただいて、福岡県にいるご家族の家の施工を依頼されたんです。 インターネットの威力というか、その営業効果に改めて気づかされましたね。」

 
  榊氏は最近ではブログもスタートさせ、多忙な業務の合間をぬって、週一回更新している。
「無料相談室の内容も、さらに充実させてお客様が塗装工事に抱いている不安を取り除く手助けをしたいですね。
情報発信が、受注拡大につながると確信しています」
テレビ局の取材に応える榊社長    
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